interview
TV ANIMATION
SENTENCED TO BE A HERO
オフィシャルインタビュー
オフィシャルインタビュー
ザイロ・フォルバーツ役/阿座上洋平
主題歌担当/SPYAIR(MOMIKEN、YOSUKE)
圧倒的な映像のクオリティに
ただただ驚かされた
――皆さんは、『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』(以下、『勇者刑』)をご覧になって、どのような第一印象をお持ちになりましたか?
阿座上:いろいろな場面でこの作品の魅力をお話しする機会があるので、ぜひSPYAIRのお二人の感想をうかがってみたいです。
MOMIKEN:まずアニメを見たときの第一印象は……率直に画がすごかったです。
阿座上:本当に、皆さん口を揃えてそう言ってくださるんですよね。僕自身も、やっぱりそう感じました。クオリティが、一線を画しているというか。狂気的なまでの描き込みで、その密度と迫力が本当にすさまじかったです。
MOMIKEN:それから、キャラクター、とくにザイロの声がすごくハマっているなと感じていて。
阿座上:そう言っていただけると、素直に嬉しいです。僕自身は、けっしてこんなにカッコいい人間ではないんですけど(笑)、ザイロというキャラクターの魅力を引き出すと同時に、自分自身も引っ張り上げてもらっているような感覚で収録に臨ませていただいています。
MOMIKEN:勝手なイメージですが、阿座上さんは眉間にしわを寄せて、不機嫌そうにしているイケメンの役がすごく似合いそうですよね?普段から、ザイロみたいに怒りを内に抱えた役を多く演じていらっしゃるのかな、という印象がありました。
阿座上:実はSPYAIRさんが主題歌を担当されていた別作品で、眉間にしわを寄せた渋い役をやらせていただいたんです。
MOMIKEN:なるほど、そのイメージが残っていたのかも。
阿座上:だと思います。今回またSPYAIRさんの主題歌のもとでアニメーション作品に関われるのは、本当に貴重で光栄な機会だなと感じています。
――YOSUKEさんはいかがでしたか?
YOSUKE:とにかく映像の凄さに驚きました。まわりの人も「これはヤバい」と言っていたので、間違いじゃないと思います。
阿座上:異常なレベルですよね。普段アニメをあまり見ない方でも、映画並みのクオリティを感じてもらえると思います。ただ、第1話の魔王現象や異形(フェアリー)の存在、血しぶきの描写なども含めて、なかなか強烈じゃなかったですか?
YOSUKE:実は、僕はグロいのが大好きで……(笑)。強烈な描写とか、意外と好きなんです。
阿座上:そうなんですね!それなら、なおさら刺さる作品だと思います。
MOMIKEN:なんか、心、大丈夫?(笑)
一同:(笑)。
YOSUKE:昔から好きな映画やアニメに、そういう描写が多いんです。最近はそういう表現が少なくなったように感じていたので、ここまでやるんだと驚きました。吹っ切れているからこそ、生々しさがあるというか。魔王現象や怪物に、普通の騎士や勇者が本気で立ち向かっていくのが、すごくリアルに伝わってきました。
阿座上:そう言っていただけてよかったです。もちろん、そうした描写が苦手な方にも好きな方にも、第1話から強く心に残るものがある作品だと思っています。僕自身も、つらい思いを抱えながら演じていたので、それが伝わったのであれば、本当に嬉しいです。
――阿座上さんはザイロを演じるうえで、どのようなことを大事にしていますか?
阿座上:あまり“いい印象”を持たれすぎないほうがいいのかな、と考えていました。でも、ふとした瞬間に人間味や泥臭さが垣間見える……。それがザイロの魅力だと思うので、そういう思いで演じています。
MOMIKEN:本当に、その通りになっていると思います。人をすべて拒絶しているように見えるけれど、それにはちゃんと理由があって、彼自身の中にしっかりとした芯がある。それがかっこいいですよね。「思いっきり暴力を振るいたい気分だ」というあのセリフ、すごく好きです。
阿座上:アガりますよね!ほかには、カッコいいセリフをそのままカッコよく表現しないようにしています。かえってクサくなってしまうと思ったので、「あえて、このセリフは少しカッコ悪く言ってみよう」と意識することがありました。綺麗なイケメンにしない、という思いがあったんです。
MOMIKEN:僕は声優経験がないので想像でしかないですが、たしかに苦しさをグッと出しすぎると、クサくなりそうですよね。
阿座上:そうなんです。苦しみながら言葉を発するときって、カッコつける余裕はないじゃないですか?なので、苦しんでいるセリフは、その苦しみがちゃんと伝わっているのか、常に考えながら演じていました。
YOSUKE:それはすごく伝わってきました。でも、普通に見ていてイケメンだなとも思いました。
MOMIKEN:たしかにダークヒーロー感がありますよね。
阿座上:まさに、そのダークヒーロー感を意識して演じていました。そう受け取っていただけたなら、安心しましたし、すごく嬉しいです。
――ザイロを演じていて「大変だな」と感じることはありますか?
阿座上:ザイロはずっと叫んでいるキャラクターなので、声がどんどん痛めつけられるんです。ただ、その痛々しさや苦しさを込めて叫ばないと伝わらない部分もあるので、そのバランスが難しかったです。ただ、次の日のことは考えずに叫んでいました。
ダークな世界観だからこそ、
楽曲の“メッセージ”が強く響く
――そして第2話では、オープニング映像も公開されました。
阿座上:今回のインタビューに先だって見させていただきましたが、やっぱりオープニングってアガりますね!
MOMIKEN:想像以上でした。スピード感と画のすごさが相まって、本当に迫力がありました。このまま「Kill the Noise」のMV(ミュージックビデオ)にしたいくらいです。あそこに僕らをアニメーションで登場させたら、もうMVの完成(笑)。
阿座上:全然成立しますね。
YOSUKE:僕も本当に「これ、MVでいいじゃん!」と思いました(笑)。最初は圧倒されるだけでしたけど、見返すと映像も動きも本当にすごくて、シンプルにかっこよかったです。
阿座上:楽曲自体も泥臭さがありつつ、爽やかさや希望を感じられるものになっているなと個人的に思いました。この楽曲は、作品をご覧になって制作されたんですか?
MOMIKEN:制作段階では、まだアニメーションは完成していなかったので、作品の世界観を掴むために、原作やコミックを参考にさせていただきました。いつもギターのUZが楽曲の方向性やアレンジも含めて作り込み、その後に僕が歌詞を書くという流れで制作してます。今回は『勇者刑』というテーマから、罪や罰を背負いながら進んでいく姿をイメージしつつ、迷っている人の背中を押せるようなSPYAIRらしいメッセージも込めて書きました。
YOSUKE:暗い世界観だからこそ、背中を押すメッセージが強く響くんですよね。ザイロに限らず響く人が現実の世界にもたくさんいると思って、映像を見ていてそのイメージがさらに湧きました。
阿座上:「背中を押す」という言葉がしっくりきました。ザイロはずっと一人で戦っているキャラクターなので、彼の背中を押してくれるのはこの楽曲のように感じたんです。それが激しい戦闘のオープニング映像と一緒に流れるのが、もうたまらないですね。
MOMIKEN:ありがとうございます。
――阿座上さんは「Kill the Noise」を聴いたときの感想はいかがでしたか?
阿座上:「Kill the Noise」という言葉から、ザイロの中にはきっといろいろな感情や葛藤が響いていて、ノイズだらけなんだろうなという印象を受けたんです。ザイロの主観として感じられる部分と、この世界観そのものから感じられる部分、その両方が歌詞や楽曲の雰囲気から伝わってきて、『勇者刑』の解像度が一段階上がりました。
MOMIKEN:まさにおっしゃる通りで、ザイロの中にあるさまざまなノイズを倒しながら前に進んでいく、というメッセージを込めています。彼のような生き方をしていると、外野からのノイズも多いと思うんです。ザイロに限らず、僕たちも生きていく中で誰しもがノイズを抱えている。そういった考えが浮かんだのと、今回は『勇者刑に処す』という作品なので、いつものSPYAIRより少し強めのタイトルに振り切ってみました。
――YOSUKEさんはレコーディングではどのようなことを意識されましたか?
YOSUKE:実はレコーディングのとき、あばらにヒビが入っていたんですよ。その数週間前にフェスがあり、そこでテンションが上がって、ステージから客席にダイブしてしまって……。
阿座上:ダイブしたんですか!?
YOSUKE:はい。楽しくてテンション上がりすぎちゃって(笑)。そのせいでずっと痛かったんです。これがもし明るい曲だったら、きっと歌えなかったと思うんです。ただ、今回は痛みがあったからこそ、苦しさをそのまま声に乗せられたというか、その瞬間にしか録れないテイクが録れた感覚がありました。なので……あばら、最高!
一同:(笑)。
阿座上:シャウトも含めて本当に激しいので、声優としては喉の状態が心配になりました。喉から血が出ていないかな、とか(笑)。でも、確かに歌声から痛みのようなものを感じていたので、そこに実際の体の痛みも乗っていたのかと思うと、聴き方がまた変わってきますね。
――MOMIKENさんはレコーディングには立ち会われるんですか?
MOMIKEN:僕は歌詞を書いているので、基本的にボーカルのレコーディングには立ち会って、ディレクションをしています。今回は、激しさはもちろん、Aメロやサビは意外とメロディックなので、そこはしっかり歌い上げてもらうようにしました。ただシャウトの部分に関してはとくに口出しはせず、とにかく思う存分、好きなだけシャウトしてくれと(笑)。シャウトのテイクになると、しつこいくらい繰り返すんです。
阿座上:それで声が枯れないのがすごいですよね。
MOMIKEN:本当にすごいんですよ。どんどん生き生きしてくるんです。
YOSUKE:アドレナリンが出るんですよ。
阿座上:ザイロみたいですね!(笑)
――では、ぜひフルサイズを聴く方にオススメポイントを教えていただけますか?
YOSUKE:ここまで激しい楽曲は、僕がSPYAIRに加入して初めてかもしれません。重たいサウンドで攻撃的なメロディーに加え、シャウトもたくさん入れているので、まずはノリノリで楽しんでほしいですね。アニメの世界観ともすごくマッチしていると思います。
MOMIKEN:フルサイズになると、アニメサイズとはまた違った歌詞の展開になることも多いんですが、今回は2番以降も含めて、しっかり『勇者刑』の世界観に寄り添った内容になっています。実は、デモ段階ではもっと明るい曲調だったんですけど、最終的には作品に合わせてダークに振り切りました。その分、ストリングスを入れて、壮大さや華やかさを加えています。激しさと壮大さが同居したサウンドになっているので、そのあたりも楽しんでいただけたら嬉しいです。
――本作は魅力的なキャラクターが多数登場しますが、ザイロ以外で皆さんが注目しているキャラクターを教えてください。
阿座上:『勇者刑』は、本当に変人の集まりなんですよ。その中で、《女神》のテオリッタは、唯一場を明るくしてくれる癒しのポイントだと思っています。ザイロにとっても、彼女の存在はとても大きいですから。ザイロもテオリッタのコメディチックな雰囲気に少しだけ引っ張られることがあるので、僕もコメディ寄りの表現をどこまでやっていいのか相談しながら、大丈夫なときは思い切りやらせていただきました。
YOSUKE:僕はパトーシェです。彼女の振る舞いによって、ザイロの行動や物語の流れが変わっていく気がしているので、今後どう動くのかがすごく気になります。
阿座上:それは鋭いですね!パトーシェは正義感が強い一方で、揺れ動く部分も多いキャラクターなので、ザイロとの関係性にぜひ注目してほしいです。
MOMIKEN:僕はノルガユ陛下ですね。なぜこの人は自分を陛下だと思い込むようになったのか、どんな人生を歩んできたのかが気になりました。
阿座上:ノルガユ陛下、いいキャラクターですよね。キャスト陣の間でも人気が高くて、もう人気投票1位ですね。カリスマ性のある存在です。
――では最後に、ファンの皆さんへ一言ずつメッセージをお願いします。
YOSUKE:物語が次から次へと動いていって、続きを観るのが楽しみな作品です。その作品に主題歌という形で携わらせてもらっているので、ぜひアニメと一緒に僕たちの楽曲も楽しんでいただけたらと思います。
MOMIKEN:僕が注目しているノルガユ陛下がこのあと爆発すると思っています。そこをぜひ注目して観てください。
阿座上:主役のザイロ・フォルバーツという役を演じる身として精一杯臨んでいますが、声優は一人の力では何もできません。映像、音楽、主題歌といろいろな方の力を借りてようやく成り立つお仕事なんです。それを今回、SPYAIRさんとお話しできたことであらためて実感しました。総合芸術のようなこの作品は、皆さんにワクワクと同時にほどよい絶望も与えてくれますので(笑)、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
